7.28私たちは貧困問題にどう向き合うか 高教組主催の藤田孝典さん講演会に組合内外から60人が参加

貧困問題にとりくんでいる社会福祉士の藤田孝典さんの講演会に60人が参加した。藤田さんは、15年前にさいたま市内でホームレス支援組織を設立し、その後NPO法人ほっとプラスを立ち上げ、支援対象を自殺対策、刑余者・DV被害者・引きこもり青年ら困窮者支援に広げている。また、労働・貧困問題の現状を社会に訴えるため、講演会や大学での講義、メディア出演、SNSを通じて情報発信するソーシャルアクションを積極的に行っている。

藤田さんは「日本の相対的貧困率が15.7%と、OECD加盟国(34ヵ国)中6番目に高く、約3000万人が生活保護基準以下で生活している。とりわけ、ひとり親の世帯の2人に1人の子は貧困と深刻である。奨学金問題や住宅問題で結婚できない若者が増えている。また、国の社会保障が弱く、職業訓練、家賃補助、公営住宅の乏しさが要因で、中高年の引きこもりの7割が職場からの離職経験者であり、決して若者だけの問題ではない。今こそ、5つのベーシック・サービス(教育、医療、介護、保育、住宅)に対する公的支出を増やさなければ、未来はない。当たり前だと思わされている慣習や規範に対し、権利要求し、改善して暮らしを良くしていく必要がある。黙っていては何も変わらない。そのためにも労働組合は大切である、頑張ってもらいたい。」とまとめられた。