現場の不安を解消し、命と健康を守るため、安心安全な学校づくりをすすめる!
生き生きと働くため、コロナ禍にあっても「働き方改革」推進のため全力でとりくむ!
6月23日(水)、金沢市ものづくり会館において、新型コロナウイルス感染症拡大防止策を講じ、第114回定期大会を開催した。短時間での開催であったが、多忙改善、新型コロナウイルス対策、GIGAスクール、反戦平和、組織拡大などを中心に活発な意見が交わされ、大変有意義な大会となった。
冒頭に山本執行委員長は、多忙の中参加した代議員を労い、「多忙改善・
働き方改革という一方で、新学習指導要領、スクールポリシー、GIGAス
クール構想など対処すべきことが次々と下ろされている。学校現場で直
接生徒と向き合う私たちの視点が、もっと大切にされるべきである」「教
育改革を行うためには、先ず、きちんと実践できるしっかりとした学校の
環境整備がなされるべきである」「権利があるのは当たり前ではなく、こ
れまで先人達が獲得してきた経緯がある。私たち1人ひとりが皆のため
に声を上げていくことが必要であり、次の世代につなげていきましょう」
と挨拶した。
すべての議案が承認され、特別決議1本と大会宣言採択した。大会宣言は以下のとおり。
【大会宣言】
1年前の6月、学校再開を生徒も教職員もほっとしながら迎えた。全員がマスク必着、毎朝の健康チェックや施設の消毒、グループワークは避ける、昼食は対面禁止など、今も状況は変わっていない。コロナ対策で様々な制限がなされる中で、学校行事や部活動の各大会等で直前の運営変更や中止、感染者判明による参加の取りやめなどがあった。生徒も教職員も絶えず不安や不満を感じており、ストレスを抱えた状況が続いている。
私たち教職員は、学校現場で生徒を守る一方で、自分自身と家族の命と健康も守られなければならない。公務員の感染が判明すれば、風当たりが強い。とりわけ教職員は、職場が公表されるなど、プライバシー侵害の恐れを抱いている。医療従事者・関係者を優先的にワクチン接種が行われる中、日々生徒・保護者・関係者に対応している教職員にも希望すればワクチン接種ができるよう、日教組は文科省に要請している。常に現場からの声を応え、安心して働ける安全な労働環境を整えるためにとりくみを続けていかなければならない。
県教委は「3年後をめどに時間外勤務時間が月80時間を超える教職員ゼロにする」を実現できなかったが、時間外勤務時間の縮減で一定の成果があると評価している。一方で勤務時間調査での過少申告もなくならず、スクラップアンドビルドによる大胆な業務削減も実施していないまま、2年前の働き方に戻そうとしている。「働き方改革」を後退させるわけにはいかない。さらにコロナ禍により、GIGAスクール構想が前倒し実施され、新たな研修の実施とともに、人員配置、環境整備が不十分なまま、端末(クロムブック等)を使った授業実践が求められている。持ち授業数を適正にし、教職員の数を増やし、各分掌の業務を減らしていかなければ、抜本的な解決にはつながらない。
私たちの定年が延長される。2023年度から2年ごとに1歳ずつ引き上げられていく。60歳以降の働き方が賃金に見合うものではなく、65歳まで働き続けることが難しいと感じる人は多い。誰もが健康で安心して働き続けられ、学校現場の実態にあった制度の実現に向けてとりくみを強化していく。
私たち教職員は、「人格の完成」をめざし、生徒に「豊かな学び」を保障できるよう考え行動していく。そのためには、私たちが生き生きと働かなければならない。コロナ禍にあっても「働き方改革」を着実に推進していくとともに、生徒と私たち教職員の命と健康が守られる、安心安全な学校をつくる運動を一致団結してすすめていこう。
以上、宣言する。
2021年6月23日
石川県高等学校教職員組
第114回定期大会参加者一同
定期大会を無事に終えることができました。開催に協力をいただいたすべての分会の皆さんに感謝を申し上げます。定期大会で決定した方針をもとに、「生命と健康が守られる、安心安全な学校づくり」のため、皆さんのご意見を生かし、とりくみを進めていきます。